LET'Sストレッチング

 未病改善プロジェクト 【健康ウォーキングラリー】@横浜戸塚旭町通商店会にて開催したイベントLET'Sストレッチング。イベントで実際に行ったストレッチングについてより詳しく解説しています。今回のイベントに参加された方もそうでない方も、からだとこころにさまざまな効果があるストレッチをぜひ毎日の習慣にしましょう!

 LET'Sストレッチングでは【簡単!健康チェックリスト】を用いてからだとこころの状態を知るところから始めます。その結果をもとにⅠ.基本のストレッチングとⅡ.個別のストレッチングのプログラムの中からご自分の症状やお悩みに合ったものを選択して毎日のトレーニングメニューとしてください。


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簡単!健康チェックリスト
ご自分に合ったストレッチ方法を見つける前に【簡単!健康チェックリスト】で現在のからだとこころの状態をチェックしましょう。
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ストレッチをはじめる前に

安全にストレッチを行うにあたり、以下の点に注意して下さい。

1.強い痛みやしびれ等の症状が出現したらただちに中止してください

2.頚椎や腰椎の疾患(頚・腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・変形性関節症など)があり、治療中もしくはリハビリ等を受けている方は、医師やセラピストに相談の上でストレッチを行うことをおすすめします


Ⅰ. 基本のストレッチング

 ストレッチの効果は単に筋肉の緊張を緩めたり、関節の柔軟性を引き出すことだけではありません。血流を促進したり、疲労回復にもつながるとされています。意外によく知られていないのが「精神的なリラクゼーション」「呼吸を深くゆったりさせる」効果です。

 基本のストレッチングではストレッチに呼吸運動を組み合わせた【呼吸筋ストレッチ】と脊柱全体を大きく動かすことで全身的な血行を促すような【脊柱~骨盤のストレッチ】を取り入れています。猫背などの姿勢の悪さや立ち仕事・デスクワークといった長時間の同一姿勢が肩こりや腰痛の原因となっている方、運動不足になりがちな方・ストレスが溜まっていると感じている方・冷え性にお悩みの方などにも効果的なストレッチングです。

(2) 呼吸筋ストレッチ 1

【方法】

➊椅子に浅く座り、両手を胸の上部に当てて息をゆっくり吐きます

❷ゆっくりと息を吸いながら、持ち上がる胸を手で押し下げるようにします

❹息を吸いきったら➊の姿勢に戻ります

【回数の目安】

3~5回

【ワンポイント解説】

  呼吸とは筋肉のはたらきで胸郭を拡げたり狭めたりすることにより、肺へ空気を出し入れすることです。このストレッチングでストレッチされる首の前側面や上胸部にある胸鎖乳突筋や斜角筋などは、首や肩の運動にかかわる筋肉ですが、息を吸う時にはたらく「呼吸補助筋」でもあります。吸気時にはたらく筋肉をストレッチすることにより深くゆったりとした呼吸へと導きます。ポイントは息を吸う際に肩に力が入っていたり、肩が持ち上がっていないかをチェックすることです。このようなサインが見られたら普段から呼吸が浅くなっている可能性があり、肩こりの原因のひとつともいわれています。特に緊張しやすい方やストレスが溜まっている方は呼吸が浅くなりがちです。また胸鎖乳突筋や斜角筋はパソコンやスマートフォンの使いすぎによる肩こりや首の痛みにも大いに関連しています。


(1) 呼吸筋ストレッチ 2

【方法】

➊椅子に浅く座り、頭の後ろで両手を組んだらゆっくりと息を吸います

❷ゆっくりと息を吐きながら腕を上に伸ばして背伸びをします

❸首を前に倒し、腕を後ろへ引きながら息を吐ききります

❹息を吐ききったら➊の姿勢に戻ります

【回数の目安】

3~5回

【ワンポイント解説】

  このストレッチングにてストレッチされる下胸部の筋肉や体側にある腹筋群は息を吐く時に使われる呼吸補助筋です。これらの筋群をストレッチすることにより、胸郭を動かしやすくして、呼吸を深くゆったりとさせる効果が期待できます。深い呼吸は副交感神経を優位にして、精神的なリラクゼーションや血圧を安定化させることにつながります。ストレスが溜まっていると感じている方は【呼吸筋ストレッチ1】と併せて取り入れてください。


(3)背骨全体のストレッチ

【方法】

➊椅子に浅く座り、両手を組みます

❷背中全体を丸めるようにしながら腕を前方へ伸ばしていき、そのまま5秒間保ちます

❸腕を伸ばすときに息を大きく吸いながら行いましょう

【回数の目安】

3~5回

【ワンポイント解説】

  このストレッチングでは脊柱起立筋や僧帽筋など背中の筋群がストレッチされます。背骨全体を丸めるように大きく動かすことがポイントです。その際に骨盤を後ろへ倒すこと、「へそをのぞき込むように」「腕と腰で前後に引っ張り合う」ことを意識してください。脊柱起立筋は重力に抗して「姿勢」を保つための重要な筋肉ですが、常に活動し続けているため疲労しやすいといわれています。

 立ち仕事・デスクワークなど同じ姿勢を長時間とりがちで、それが腰痛や肩こりの原因となっている方に特に効果的なストレッチングです。背骨のような大きな関節・筋肉の運動は全身の血流を促進して身体を温めたり、運動不足の解消にもつながります。


(4)骨盤のストレッチ

【方法】

➊椅子に浅く座り、両手を腰に当てます

❷へそをのぞきこむようにしながら骨盤を後ろへ傾けて5秒間保ちます

❸へそを前につき出すようにしながら骨盤を前に起こして5秒間保ちます

【回数の目安】

各3~5回

【ワンポイント解説】

 このストレッチングでは骨盤の前傾と後傾にかかわる多くの筋群をストレッチしています。骨盤の前傾とはいわゆる「反り腰」の姿勢で、女性に多いとされています。一方骨盤の後傾は「丸腰」ともいわれ、猫背の方や立位や歩行の際に重心が土踏まずよりも後方にある方に多い姿勢です。後方重心で腹部を出っ張らせて歩く姿勢は男性に多いものです。両者とも腰痛の原因となるだけでなく、骨盤の不良肢位は背骨のカーブにも大きな影響を与え、肩こりや首の痛みの原因にもなりうるものです。

  このストレッチングで大切なことはストレッチ運動そのものもそうですが、むしろこの運動を通じて骨盤が前傾も後傾もしていない「中間位」を知ること、自分の骨盤がどちらかに傾きやすいならば、普段から意識的に中間位に修正できるように習慣づけることです。



Ⅱ. 個別のストレッチング

 個別のストレッチングはご自分の身体の状態に合わせて選ぶストレッチです。日本人の身体の不調で多いとされる「腰痛」「肩こり」にアプローチするものを取り入れています。Ⅰ.基本のストレッチングと組み合わせることで相乗効果が期待されるものです。

 「腰痛」の方のためのストレッチは腰の痛みを感じていなくても、立ち仕事が多い方・足の冷えやむくみが気になる方などにも効果的です。「肩こり」の方のためのストレッチはパソコンやスマートフォンを使う時間が長い方・デスクワークの方・猫背気味で顎を突き出した姿勢になりがちな方などに特に行っていただきたい方法です。

(1)腰部のストレッチ

【方法】

➊背もたれから背中を離し、背すじを伸ばして座ります

❷足やお尻を浮かさないようにして、椅子の背もたれを押さえながら上半身をひねったら、そのまま5秒間保ちます

【回数の目安】

左右各3~5回

【ワンポイント解説】

 このストレッチングでは骨盤を回旋させる際に主にはたらく内腹斜筋・外腹斜筋と広背筋などをストレッチします。腹部の外側にある腹斜筋群は腰部を側方から支える筋肉で、腰部の安定化にとって非常に重要です。椅子に座っている際に脚を組む癖があったり、片方だけ頬づえをつくなど非対称な姿勢を長時間とっていると、左右の腹斜筋群はアンバランスとなり腰痛の原因となります。ストレッチングを行うことで左右の腹斜筋群のバランスを整えながら柔軟性を保つことが大切です。また広背筋は腰部〜背部にわたる非常に大きな筋肉ですから、この筋肉をストレッチして血流を促進することは全身の血行を促して身体を温める効果も期待できます。

 


(2)臀筋のストレッチ

【方法】

➊椅子に浅く座り、脚を組みます

❷組んだ脚は下の脚の太ももにのせます

❷組んだ脚を手で軽く押さえながら、へそを前につき出すようにして5秒間保ちます

【回数の目安】

左右各3~5回

【ワンポイント解説】

 臀筋(お尻の筋肉)も姿勢を保つために非常に大切な筋肉です。立ち仕事などで長時間立位をとっていると腰が重だるくなったり、お尻の一番凹んでいる部分を押すと硬くなっている方には効果的なストレッチングです。また臀部は腰~下肢に向かって重要な神経(坐骨神経)の通りみちになっていることから、臀筋群のこりが神経を圧迫し大腿~下腿の裏側のしびれの原因にもなっていることがあります。

 


(3)大腿の裏側のストレッチ

【方法】

➊椅子に浅く座り、片方の脚を斜め前方に真っ直ぐ伸ばします

❷伸ばした方の脚のつま先をしっかり上げます

❷つま先に手を届かせるように、両腕を伸ばしていき、そのまま5秒間保ちます

【回数の目安】

左右各3~5回

【ワンポイント解説】

 大腿の裏側に長く伸びる「大腿二頭筋(ハムストリングス)」のストレッチングです。腕をつま先に向かって伸ばしていく際に、大腿の裏側に突っ張り感があったら正しく行えている証拠です。よりストレッチ感を得るにはつま先をきちんと上げることがポイントです。日頃から猫背気味の方や骨盤が後ろに傾いた姿勢をとりがちな方は、ハムストリングスが硬かったり短縮がみられることがあります。また、腰を曲げた時に痛みが出るという症状はこのハムストリングスの硬さや短縮による場合があります。車の運転を長時間される方の腰痛の原因のひとつともいわれています。


(4)腸腰筋のストレッチ

【方法】

➊椅子に浅く座り、身体を90度回転させます

❷後ろ側になった方の膝を直角に曲げていくようなイメージで腰を下げていきます

❸背すじを真っ直ぐに伸ばすにつれて後ろ側になった方の股関節の前側に突っ張りを感じたら、そのまま5秒間保ちます

【回数の目安】

左右3~5回

【ワンポイント解説】

 少し難しい運動ですが、後ろ側になった方の股関節の前側に突っ張りを感じたら正しく行えている証拠です。背筋をしっかり伸ばし、身体の重心を後ろ側の足にかけていくことがポイントです。よりストレッチさせたい場合は前側になった方の踵を上げるようにしましょう。ひとくちに腰痛といっても痛みを感じる部位や運動方向はさまざまですが、特に「腰を伸ばすと痛い」「仰向けに寝ると痛みが出る」という場合は、背骨~骨盤~股関節の前方へ付いている腸腰筋がこっていたり緊張していることが痛みの原因のひとつです。

   腸腰筋は姿勢を保持したり歩行において非常に重要なはたらきをする筋肉です。腰痛の予防や緩和だけでなく、年齢を重ねても美しい姿勢で元気に歩くためにも腸腰筋の柔軟性を保つことが大切です。


(5)肩甲骨のストレッチ

【方法】

➊背もたれから背中を離し、背すじを伸ばして座ります

❷頭の後ろで両手を組み、両腕を耳に近づけるように閉じて5秒間保ちます

❸左右の肩甲骨を寄せるように両腕を開いて5秒間保ちます

【回数の目安】

各3~5回

【ワンポイント解説】

 このストレッチングでは腕を閉じる運動のときには菱形筋など肩甲骨の内側にある筋群を、腕を開く運動のときには大胸筋などの胸部の筋群をストレッチしています。デスクワークや家事など「手」を使う作業では腕を前方に伸ばした状態であることがほとんどで、その際には腕の重みを支えるため、肩甲骨の内側の筋肉は常に活動し続けており、肩甲骨の内側の痛みやこりにつながります。更に手を使う作業においては腕を外に開いた状態よりはむしろ内側へ閉じていることが多く、肩が内側に捻れたような姿勢をとりがちですが、これは大胸筋や小胸筋のはたらきによるものです。この肩のねじれは「巻き肩」ともいわれ、肩甲骨は外側へ偏位します。これらの筋群をストレッチすることで肩甲骨の位置を整えて動きをスムーズにしたり、肩こりや肩甲骨周囲の筋肉の痛みの解消につながります。


(6)顎引きストレッチ

【方法】

➊背もたれから背中を離し背筋を伸ばして座ります

❷顎の前に人差し指を軽く当て顎を平行にスライドさせるように後ろへ引き、そのまま5秒間保ちます

❸すっと力を抜きます

【回数の目安】

3~5回

【ワンポイント解説】

  首の前側面を縦に走る胸鎖乳突筋のストレッチング(正しくはリラクゼーション)です。顎を平行に後ろへスライドした際に肩甲骨の下部にグッと力が入る感覚があったら、正しく行えている証拠です。猫背気味の方やパソコン・スマートフォンを使う時間が長い方は、顎が前方に引き出された姿勢をとりがちです。この姿勢により胸鎖乳突筋は常に活動し続け、首や肩のこりや痛みの原因となるばかりでなく、頚椎の弯曲が小さくなる「ストレートネック」を増悪させる因子のひとつともいわれています。